派遣法って何?って聞かれてそれはコレコレこういうものだよ、なんてスラスラ
答えられる人はいるでしょうか?
なんとなくはわかっていてもやっぱり分かったような分からなかったような…
そんな人にもわかりやすく派遣法について調べて記載してみました。
派遣法とはそもそも通称で、正式な名称はとんでもなく長い名前の法です。
「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に
関する法律」
というものの通称が派遣法で、他にも労働者派遣法などとも言われています。
これは昭和60年に制定されたもので、どういうものかというと世の中には
需要と供給があって成り立ってます、これは今すぐ労働者が欲しい!という
職場と今すぐ仕事が欲しい!という労働者のバランスを保つ為に作られたもので
これによって当時は禁止されていた間接的に人を働かせる事が13の限られた業務
で可能になりました。
そのあとも何度かの改正を経て現在ではほとんどの業務において派遣する事が
できるようになりました。
すくなくとも数年前に比べて派遣社員という言葉は良く聞くようになり、
身の回りにも増えてきました。
これには近年の法改正によって今までの派遣の期限が1年だったのに対し、
3年まで延びた事、また専門性の高い限られた業務に関しては無期限で
行えるようになった事が大きな要因として挙げられます。
そうやって増えてきている派遣社員の雇用の安定、また雇用だけではなく
福祉面での充実、派遣社員の権利などを保障するような法律だと言えます。
派遣法は何度なく改正をし、現在にいたっています。それは一体
どういうタイミングと流れで改正にいたったのでしょうか?
派遣法の歴史を知る事で今の派遣法の意味合いがわかってくると思います。
派遣法の改正は1985年から今までで大きなものは2度あったと言われています。
まず派遣法が最初に制定された時、労働者を派遣して良いのは13の業務のみ、
それ以外は一切認められていませんでした。
それが小さな派遣法の改正を経て、それ以外の多く業務が認められるようになり
1999年にはある特定の業務を除き、それ以外は派遣を認めるという風に
派遣法が改正され、期限も一般的業務は1年、専門的な業務は3年となりました。
最初は特定の業務だけしか認められなかったのに対して、ここではある特定の
業務以外は認める、という流れに派遣社員が持っている社会的な地位が
見えてくるような気がします。
そして2003年には今まで認められていなかった業務の一つでもある医療関係も
部分的に認められるようになり、更に一般的な業務の期限も1年から3年に伸び、
26の専門的な業務に関しては期限を設けないという事になりました。
更に2007年4月にも派遣法の改正が行われ、派遣受入期間の延長、
派遣労働者の衛生や労働保険への配慮なども認められるようになりました。
派遣社員がもつジレンマとして即戦力を求める雇用側とそうとは言い切れない
労働者側の問題があったと思います。
現在の社会の雇用体系において、正社員、アルバイト・パートと同じく
存在を認められつつある派遣社員。
いくつもの問題に少しずつ取り組みながら労働者の権利や雇用側の主張を
少しずつ取り入れていった結果、今こうやって現在の派遣法があると言えます。
派遣法の改正はこれまでに何度となくあったことは記載したと思いますが、
それによって派遣法の条文はどうなっているのか知る必要があります。
ここでは派遣法の条文を記載します。
派遣法の条文は第1章から第5章まで、全部で第1条から第62条まであり、
幾度かの改正を経て現在の形になっています。
ここでは派遣法の条文にどういう事が書いてあるのか、
項目のタイトルを掲載しました。
派遣法の条文を簡単に説明すると派遣法の条文の第1章には総則とタイトルが
ついてあり、派遣法の意義などについて書かれています。
また派遣法の条文の第2章については運営に対しての事が
記載されており雇用側にとって非常に重要な内容の派遣法の条文といえます。
■第1章 総則
・第1条 目的
・第2条 用語の意義
・第3条 船員に対する適用除外
■第2章 労働者派遣事業の適正な運営の確保に関する措置
◇第1節 業務の範囲
・第4条 業務の範囲
◇第2節 事業の許可等
■第1款 一般労働者派遣事業
・第5条 一般労働者派遣事業の許可
・第6条 許可の欠格事由
・第7条 許可の基準等
・第8条 許可証
・第9条 許可の条件
・第10条 許可の有効期間等
・第11条 変更の届出
(第12条 削除)
・第13条 事業の廃止
・第14条 許可の取消し等
・第15条 名義貸しの禁止
■第2款 特定労働者派遣事業
・第16条 特定労働者派遣事業の届出
・第17条 事業開始の欠格事由
・第18条 書類の備付け等
・第19条 変更の届出
・第20条 事業廃止命令等
・第21条 事業廃止命令等
・第22条 名義貸しの禁止
◇第3節 補則
・第23条 事業報告等
・第24条 職業安定法第二十条の準用
第24条の2 派遣元事業主以外の労働者派遣事業を行う事業主からの
労働者派遣の受入れの禁止
第24条の3 個人情報の取扱い
第24条の4 秘密を守る義務
・第25条 運用上の配慮
派遣法の条文は全部で第1章から第5章までで構成されています。
ここでは前述した第2章からの続き、第3章から掲載していきたいと思います。
派遣法の条文の3章には労働者の就業時に関してあらゆる事がここで定められて
おり、労働者にとっては派遣法の条文の中で最も重要な部分だといえ、
派遣法の条文の第4章では雑多な事、派遣法の条文の第5章ではそれに違反した際
どういう罰則が与えられるかが記載されています。
項目のタイトルを確認しておくだけでも大まかに頭に入ります、気になる所は
チェックしておきましょう。
■第3章 派遣労働者の就業条件の整備等に関する措置
◇第1節 労働者派遣契約
・第26条 契約の内容等
・第27条 契約の解除等
・第28条 契約の解除等
・第29条 契約の解除等
◇第2節 派遣元事業主の講ずべき措置等
・第30条 派遣労働者等の福祉の増進
・第31条 適正な派遣就業の確保
・第32条 派遣労働者であることの明示等
・第33条 派遣労働者に係る雇用制限の禁止
・第34条 就業条件等の明示
・第35条 派遣先への通知
・第36条 派遣元責任者
・第37条 派遣元管理台帳
・第38条 準用
◇第3節 派遣先の講ずべき措置等
・第39条 労働者派遣契約に関する措置
・第40条 適正な派遣就業の確保等
・第40条の2 労働者派遣の役務の提供を受ける期間
・第40条の3 派遣労働者の雇用
・第40条の4 派遣労働者の雇用
・第40条の5 派遣労働者の雇用
・第41条 派遣先責任者
・第42条 派遣先管理台帳
・第43条 準用
◇第4節 労働基準法等の適用に関する特例等
・第44条 労働基準法の適用に関する特例
・第45条 労働安全衛生法の適用に関する特例等
・第46条 じん肺法の適用に関する特例等
・第47条 作業環境測定法の適用の特例
・第47条の2 雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する
法律の適用に関する特例
■第4章雑則
・第47条の3 指針
・第48条 指導、助言及び勧告
・第49条 改善命令等
・第49条の2 公表等
・第49条の3 厚生労働大臣に対する申告
・第50条 報告
・第51条 立入検査
・第52条 相談及び援助
・第53条 労働者派遣事業適正運営協力員
・第54条 手数料
・第55条 経過措置の命令への委任
・第56条 権限の委任
・第57条 厚生労働省令への委任
■第5章罰則
・第58条 1年以上10年以下の懲役又は20万円以上300円以下の罰金
・第59条 1年以下の懲役又は100万円以下の罰金
・第60条 6月以下の懲役又は30万円以下の罰金
・第61条 30万円以下の罰金
・第62条 違反行為をしたとき
派遣法は何度も改正されてきた事はお伝えしましたが、この中で専門的な知識や
技術を要する26業務に対しては雇用の期限が設けられていません。
派遣法の中でも特殊といえるこの26業務にはどういったものが
含まれているのでしょうか?
派遣法の中でも特殊な26業務の内訳はこういうものになっています。
1号 ソフトウェア開発の業務
2号 機械設計の業務
3号 放送機器等操作の業務
4号 放送番組等演出の業務
5号 事務用機器操作の業務
6号 通訳、翻訳、速記の業務
7号 秘書の業務
8号 ファイリングの業務
9号 調査の業務
10号 財務処理の業務
11号 貿易取引文書作成の業務
12号 デモンストレーションの業務
13号 添乗の業務
14号 建築物清掃の業務
15号 建築設備運転、点検、整備の業務
16号 案内・受付、駐車場管理等の業務
17号 研究開発の業務
18号 事業の実施体制の企画、立案の業務
19号 書籍等の製作・編集の業務
20号 広告デザインの業務
21号 インテリアコーディネーターの業務
22号 アナウンサーの業務
23号 OAインストラクションの業務
24号 テレマーケティングの営業の業務
25号 セールスエンジニアの営業、金融商品の営業関係の業務
26号 放送番組等における大道具・小道具の業務
これら26業務に共通するのは専門的な知識や技術です。
即戦力を求められる派遣社員において、これら26業務は就業してすぐの段階では
雇用側が求めるような成果を出す事は非常に難しいと思われます。
そこが派遣社員に対しての大きな矛盾となっていたのは否めないのですが、
この派遣法の改正によって、派遣社員は仕事に対して存在意義を、受け入れ先は
仕事に対しての成果を得ることができ派遣法の中でも現在最も重要だった改正と
言われています。
派遣法に良い意味でも悪い意味でも影響をもろに受けるのは派遣先の会社、
派遣受入先の会社もですが、労働者が最も影響を受けるでしょう。
人材派遣の現状は今どうなっているのか、調べてみました。
人材派遣から派遣社員として雇用に至るまで、やはり人材派遣会社に登録を
する必要があります。
その際派遣法に基づいて年齢、性別、国籍などで区別してはならない、
外見、容姿などの情報を申告する必要はない、また派遣会社は登録した労働者が
就業の機会を得ることができるように最大限努力しなければならない事が
派遣法で決まっています。
また契約書にサインをしなくても電話での口約束で契約成立とみなされる場合も
あります、慎重に登録を行いましょう。
また禁止されている事として派遣先の会社が派遣スタッフを選別する目的で
事前に面接する事や履歴書を送ってもらう事は禁止されていますが、
紹介予定派遣というあらかじめ派遣先、労働者に対して職業紹介を予定している
場合に限り、事前面接や履歴書の送付は許されています。
またその際労働者側から派遣先を見学に行く事、また見学にいって就業を断る事
は派遣法によって認められています。
また派遣法で禁止されている事として専ら派遣、二重派遣などがあります。
専ら派遣とはその派遣元の会社が特定の関係のある会社にしか派遣しない事で、
二重派遣とは派遣された会社から更に別の会社に派遣され、そこで働く派遣の
雇用体系のことで、どちらも違法となっており、会社は処罰を受けます。
また派遣労働と良く似た労働形態に請負、業務委託というものがありますが、
これは似て非なるものでその場合は派遣法は適用されません。
業務委託とは会社から会社へ仕事を依頼する事で、この際は派遣会社が仕事を
行うという形になります。
最近は多くの派遣会社があわせて業務委託も行っていますが、その場合は
指示や命令を出すのはあくまで派遣会社になり、派遣会社に依頼した会社が
労働者に指示や命令をするのは派遣法で禁じられており違法となります。
派遣法は人材派遣として登録するまでの決まりだけを作っているものではなく
むしろ働き出してからの条件などについて細かく決められています。
ここでは人材派遣として働き出してからの派遣法の効力について調べました。
無事に人材派遣会社に登録して仕事もめでたく決まった、そうするとまずは
試用期間があります。
これに対しても派遣法で決まりがあり、派遣先は派遣されてきたスタッフを
選ぶ為だけに試用期間を設ける事はできません、また長期の仕事として募集を
していた場合は数週間の試用期間で労働者を不採用にはできなくなってます。
また最初に聞いていた契約内容や業務内容と話が違う場合なども
派遣先と派遣元は労働者の就業条件明示書の内容に則っていくように最大限の
努力をする義務があります。
また就業条件を変更する場合があっても派遣元は労働者にその旨を伝え、
本人確認をとる必要があります。
これは派遣元と派遣先において意思の疎通が取れていなかったという場合が
考えられます、契約と違う!と頭ごなしにいうのではなくお互いに
歩み寄っていく必要があるでしょう。
また時給なども勤続年数や職歴によって異なります、このご時世なかなか給与面
で満足いく事は難しいかもしれませんが交渉する事はできます、それなりの
勤続年数になったら交渉してみましょう。ただし、性別・年齢などによって
時給が不当に下げる事は派遣法によって禁止されています。
また残業や深夜手当などにも派遣法に基づいたものがあります。
残業は契約書に書かれている時間を越える残業の場合は断る事が可能で、
8時間を越える場合は残業手当として25%が支給され、22時から翌5時までは
深夜手当として50%支給されるようになっています。
また有給休暇なども認められており、社会保険は加入条件を満たしている場合は
派遣元が社会保険に加入させる義務があり、雇用保険に関しては週20時間以上、
1年以上雇用される見込みがある場合は加入する事が可能です。
このように働き出してからも派遣法は労働者に細かく規定を設けています。
まず仕事をする事、できるようになる事が先決ですが、仕事ができないからと
言って派遣法で定められている権利を放棄する必要はありません。
会社に義務付けられている事を要求するのは決して身勝手ではないでしょう。
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